十二指腸ポリープ|高田馬場駅前メディカルクリニック|新宿区の消化器、内視鏡、内科・外科・肛門科
十二指腸ポリープは、小腸の最初の部分である十二指腸の粘膜にできる隆起(できもの)の総称です。
多くは良性で症状がなく、健診や内視鏡検査で偶然見つかります。
頻度は胃ポリープよりも少ないものの、ポリープの種類によってはがん化のリスクを伴う場合もあるため、正確な診断と適切な経過観察が重要です。
十二指腸ポリープの発生にはいくつかの原因が関係します。
最も一般的なのは、加齢や慢性的な炎症に伴う粘膜の変化です。
胃酸や胆汁、膵液などが十二指腸に流れ込むことで粘膜が刺激され、再生を繰り返すうちにポリープが形成されると考えられています。
また、家族性大腸腺腫症(FAP)などの遺伝性疾患を持つ方では、十二指腸にも多数のポリープが発生しやすく、がん化のリスクが高くなります。
ほかにも、脂質の多い食事、喫煙、飲酒、薬剤(胃酸抑制薬や抗炎症薬)などが関与することもあります。
多くの十二指腸ポリープは無症状です。
腫瘍が小さいうちは自覚症状がほとんどなく、健診などの上部消化管内視鏡(胃カメラ)で偶然発見されることが多いです。
しかし、ポリープが大きくなって十二指腸の内腔をふさいだり、潰瘍を形成したりすると、上腹部の痛み、膨満感、吐き気、嘔吐などの症状が出ることがあります。
出血を伴う場合には黒色便がみられ、慢性的な出血では貧血を起こすこともあります。
診断には上部消化管内視鏡(胃カメラ)が行われます。
内視鏡で十二指腸の粘膜を直接観察し、ポリープの形(隆起のタイプ)、大きさ、表面の模様、色調などを確認します。
特に十二指腸は膵臓や胆道の出口(乳頭部)に近いため、病変の部位によっては治療方法が大きく異なります。
ポリープの性質を判定するために、必要に応じて組織検査(生検)を行い、良性か悪性(がん化を伴う腫瘍)かを診断します。
また、家族性腫瘍が疑われる場合には、大腸内視鏡検査や遺伝子検査を併用して全身的な評価を行うことがあります。
治療はポリープの種類・大きさ・形状・病理診断によって異なります。
5mm程度の小さな良性ポリープであれば、経過観察で問題ありません。
内視鏡で定期的に確認し、増大傾向や形の変化がないかをフォローします。
一方で、10mmを超えるものや表面が不整なポリープ、病理検査で腺腫や腺がんの可能性があると判断されたものは、内視鏡的ポリープ切除術を行います。
乳頭部近くの病変や深い部分に及ぶポリープの場合は、外科的手術が必要になることもあります。
出血や穿孔のリスクがあるため、切除は専門施設で慎重に行われます。
また、遺伝性疾患に伴う多発性ポリープでは、がん化リスクが高いため、定期的な内視鏡検査による厳重な経過観察が重要です。
十二指腸ポリープはほとんどが良性ですが、一部にはがん化の可能性を持つタイプがあります。
無症状であっても、ポリープの性状や部位によって対応が異なるため、専門的な評価が必要です。
当院では、上部消化管内視鏡を用いて十二指腸まで丁寧に観察し、必要に応じて病理検査や切除を行っています。
定期的な検査で小さな変化を早期に捉え、安心して経過をみられるようサポートしています。