十二指腸がん|高田馬場駅前メディカルクリニック|新宿区の消化器、内視鏡、内科・外科・肛門科
十二指腸がんは、小腸の最初の部分である十二指腸に発生する悪性腫瘍です。
全消化管がんの中では比較的まれな疾患で、発見が遅れやすい傾向があります。
胃に近い部位にできることが多く、症状が出にくい一方で、進行すると食事が通りにくくなったり、出血を起こしたりすることがあります。
明確な原因はまだ解明されていませんが、遺伝的な要因やポリープの発生、慢性的な炎症、消化液による刺激などが関係していると考えられています。
また、**家族性大腸腺腫症(FAP)**などの遺伝性疾患を持つ方では、十二指腸ポリープやがんの発生リスクが高いことが知られています。
ほかにも、加齢や脂質の多い食生活、喫煙などが関与する可能性があります。
初期の十二指腸がんは無症状で経過することが多く、健診や胃カメラ検査で偶然見つかることがあります。
進行すると、上腹部痛や膨満感、吐き気、食欲不振、体重減少などの症状が現れます。
出血を伴う場合には、便が黒くなる(黒色便)こともあります。
また、腫瘍が大きくなると十二指腸が狭くなり、食べ物が通過しにくくなるため、嘔吐を繰り返すこともあります。
診断には上部消化管内視鏡検査が有効です。
内視鏡で十二指腸の粘膜を観察し、病変の形状や色調の変化を確認します。
病変が疑われる部位からは組織を採取し、病理検査でがんの有無や性質を確定します。
さらに、CTやMRI、超音波内視鏡検査を行って腫瘍の広がりや周囲臓器への浸潤、転移の有無を調べます。
これらの結果を総合して、最適な治療方針を立てます。
治療は、がんの深さや広がりによって選択されます。
早期十二指腸がんで、粘膜内にとどまる病変であれば、**内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)**により、切除が可能です。ESDは低侵襲で、体への負担が少ない治療法です。
一方、進行がんでは外科的手術が必要となります。
腫瘍の位置によっては、膵臓や胆管が近接しているため、膵頭十二指腸切除術(いわゆる「膵頭部切除」)が行われることもあります。これは高度な技術を要する手術ですが、根治を目指すうえで重要です。
手術後や再発がみられる場合には、抗がん剤治療が行われることがあります。
ただし十二指腸がんに特化した標準的な化学療法は確立しておらず、症例に応じて治療薬を選択します。
症状の緩和や栄養管理も並行して行い、生活の質を保つことが大切です。
十二指腸がんはまれな疾患ですが、早期に発見できれば内視鏡での治療が可能です。
進行してからでは手術が大掛かりになりやすく、早期発見が鍵となります。
上腹部の痛みや黒色便、原因のわからない貧血などが続く場合は、早めに内視鏡検査を受けましょう。
当院では、上部消化管内視鏡を用いた正確な診断と、専門的な治療の提案を行っています。