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食道裂孔ヘルニア

食道裂孔ヘルニア|高田馬場駅前メディカルクリニック|新宿区の消化器、内視鏡、内科・外科・肛門科

概要

食道裂孔ヘルニアとは、胃の一部が横隔膜のすき間(食道裂孔)から胸のほうへ飛び出してしまう状態をいいます。

 

本来、胃は横隔膜の下にありますが、加齢や姿勢、内臓脂肪の増加などにより胃を支える力が弱まると、胃の上部が胸腔内にずれてしまうのです。

 

多くは良性の病態ですが、胃酸が食道に逆流しやすくなるため、「逆流性食道炎」を合併し、胸焼けや喉の違和感などの不快な症状を引き起こします。

原因

主な原因は加齢による横隔膜のゆるみと腹圧の上昇です。

 

横隔膜の筋肉は年齢とともに弱くなり、食道を通す穴(食道裂孔)が広がることで、胃の一部が押し上げられやすくなります。

 

また、肥満、便秘、妊娠、重い物を持ち上げる習慣、前かがみの姿勢など、腹圧を高める要因も関係します。

 

さらに、胃の形や食道の長さなどの体質的な要素や、手術後の癒着などが影響することもあります。

症状

食道裂孔ヘルニア自体に明確な症状がない場合もありますが、多くは胃酸の逆流による不快感が中心です。

 

代表的な症状は、胸焼け、呑酸(すっぱい液がのどまで上がる)、みぞおちの痛み、喉の違和感、咳、声のかすれなどです。

 

横になったときや食後に症状が悪化しやすく、夜間の咳や胸部のつかえ感として現れることもあります。

 

重症化すると、逆流性食道炎が慢性化し、食道粘膜のびらんや潰瘍、狭窄などを引き起こすことがあります。

検査・診断

診断には上部消化管内視鏡(胃カメラ)が最も有用です。

 

内視鏡で胃の入り口(噴門部)の位置や、胃の一部が横隔膜の上に出ていないかを確認します。

 

また、バリウム検査(上部消化管造影)でも、胃が胸腔内に突出している様子を視覚的に確認できます。

 

必要に応じて、食道内圧検査や24時間pHモニタリングを行い、胃酸の逆流の程度を評価します。

 

これらを総合的に判断し、ヘルニアのタイプ(滑脱型、傍食道型、混合型)と重症度を分類します。

治療

軽症の場合は、生活習慣の改善と薬物療法が基本です。

 

食後すぐに横にならない、枕を高くして寝る、肥満を改善する、腹部を締めつける服を避けるなど、腹圧を下げる工夫が有効です。

 

薬物療法では、胃酸の分泌を抑える薬や胃の動きを改善する薬を用いて、逆流による炎症や胸焼けを抑えます。

 

これらの治療で多くの方は症状が改善します。

 

しかし、薬で効果が不十分な場合や、胃が大きく胸腔内に入り込んでいる重症例では、外科的治療(噴門形成術やヘルニア修復術)を検討します。

 

手術では、胃と食道を正しい位置に戻し、横隔膜の裂孔を縫い縮めて再発を防止します。

 

腹腔鏡による低侵襲手術も可能で、回復が早いのが特徴です。

まとめ

食道裂孔ヘルニアは、加齢や生活習慣によって起こる身近な病気です。

 

多くは薬と生活改善でコントロール可能ですが、放置すると慢性的な逆流性食道炎に進行することがあります。

 

胸焼けやのどの違和感が続く方、夜間の咳や胸の痛みがある方は、一度内視鏡検査を受けましょう。

 

当院では、苦痛の少ない内視鏡検査でヘルニアの有無を確認し、症状の程度に応じた内科的・外科的治療をご提案しています。