ピロリ菌除菌後に胃がんになる確率は?感染の原因と効果的な治療法

- 2022年9月27日
- 院長コラム
「ピロリ菌」の名前は知っていても、どんな菌なのか、感染経路や病気のリスクを理解している患者様は多くありません。
ピロリ菌に感染すると胃がんになるリスクがありますが、除菌すれば予防・治療・再発の抑制が可能です。
今回は、ピロリ菌の特徴と病気のリスク、感染経路と検査方法、効果的な治療法を詳しく解説します。
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胃がんになる?ピロリ菌の特徴

そもそもピロリ菌とは?
ピロリ菌=正式名称「ヘリコバクター・ピロリ」は、最近ヨーグルトのCMなどでもよく見かけるようになりました。
通常、胃の中は強い胃酸が分泌されているため細菌は生きていけませんが、ピロリ菌は例外です。
尿素をアンモニアに分解する酵素「ウレアーゼ」を出して胃酸を中和し、胃粘膜の表面に住みつく特徴があります。
我々のような消化器科を専門とし、胃カメラを行っている医師にとってピロリ菌に感染しているか否かは決して見逃せません。
ピロリ菌が引き起こす病気
実は日本人の半数の3000~6000万人がピロリ菌に感染しているとされていて、特に感染率が高いのが50代以降の中高年です。
多くが無症状のため気づかずに放置されていますが、ピロリ菌は様々な病気を引き起こす懸念があります。
- ピロリ菌が引き起こす病気
胃潰瘍
十二指腸潰瘍
胃炎
胃がん
現在は衛生環境の改善で若年者の感染率は急激に低下してはいますが、完全には根絶されていないため油断はできません。
ピロリ菌の除菌で胃がんの確立減
ピロリ菌に感染していても、病院を受診して除菌すれば胃がんのリスクは3分の1に抑制可能です。
胃潰瘍や十二指腸潰瘍などピロリ菌で懸念される他の病気も、予防・治療・再発の防止ができます。
内視鏡検査で萎縮性胃炎(慢性胃炎)が確認されれば保険診療でピロリ菌検査・除菌を受けられるため、ぜひ一度当院へご相談ください。
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胃がんになる?ピロリ菌の感染経路

ピロリ菌は現代の医学をもってしても感染経路がハッキリとは断定されていません。
食べ物や飲み物と一緒に口から胃の中に入り込む「経口感染」が濃厚と考えられていて、ピロリ菌の主な感染経路は下記の通りです。
1.乳幼児期の家庭内感染
2.昔の日本or発展途上国
ピロリ菌で胃がんに?家庭内感染
幼い子どもの胃は酸性度が低く免疫が弱いため、ピロリ菌はほとんどが4~5歳頃の乳幼児期に感染していると言われています。
ピロリ菌に感染している大人からの食べ物の口移しや食器の共有などが原因で、乳幼児期に感染していれば大人になってもピロリ菌が胃に住みついたまま。
家族の一人にピロリ菌の感染が認められると、同時期に同様に口移しなどをしていた家族や親族も感染の可能性は否めません。
逆に成人してからの感染では一時的に胃炎を起こすだけで、ピロリ菌が胃に住みつきにくいです。
ピロリ菌で胃がんに?不衛生環境
水道の浄化設備が整った現在の日本ではほぼ考えられませんが、井戸水などを口にしていた時代ではピロリ菌が飲み水に潜在していました。
海外の発展途上国では衛生管理が行き届いている環境の方が珍しく、糞便に触れた水や虫を媒介したピロリ菌の感染も十分にあり得ます。
医療機関でも、器具の消毒・殺菌の衛生管理が徹底されている日本に対して、海外では口に使用する器具が不衛生で感染が広がった例もあるようです。
ピロリ菌で胃がんに?感染チェック
胃の調子が悪い状態がずっと続いているなら、ピロリ菌の感染を疑ってみても損はないでしょう。
ピロリ菌の感染セルフチェック
✔胃炎や胃・十二指腸潰瘍を起こしやすい
✔胃の不快感が半年以上続いている
✔薬を飲んでも一時的にしか回復しない
✔健診の胃のバリウム検査で異常
✔1970年以前の生まれ
✔不衛生な環境に住んでいた
✔家族にピロリ菌の感染者がいる
上記の項目に該当していればピロリ菌の感染が考えられるため、まだ検査されていない方はぜひ当院にご相談ください。
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胃がんになる?ピロリ菌の除菌治療

除菌前にピロリ菌の感染検査
ピロリ菌に感染しているか検査するには、保険診療と自己負担の選択肢があります。
内視鏡検査では、萎縮性胃炎(慢性胃炎)が確認された方のみ保険診療でピロリ菌の検査が可能です。
内視鏡以外では、血液の抗体を調べる、便の抗原を調べる、呼気テストの3種類の検査がありますが、いずれも自費負担となるので事前にご確認ください。
胃がんの確率を下げるピロリ菌除菌
ピロリ菌が認められたら、3種類の薬(胃酸の分泌を抑える薬1種類と、抗生剤2種類)を1週間内服して除菌治療を行います。
薬を飲み終わってから約1~2ヶ月後に、ピロリ菌除菌の効果判定検査として尿素呼気テストを実施。
判定薬を内服する前後に紙パックに息を吹き込んでもらうだけの簡単な検査で、約1週間後に結果がでます。
ピロリ菌の除菌治療の注意点
ピロリ菌の除菌治療の成功率は約7~8割で、1次除菌が不成功なら保険診療で2次除菌が可能です。
2次除菌の成功率も約7~8割で、さらに不成功なら3次除菌は自費診療となります。
治療薬には下痢・軟便などの副作用もあり、中止すればほとんど改善されますが、治療薬を中断すると除菌は不成功に終わる確率が高くなるのは否めません。
副作用が生じたらご自身の判断で薬をやめてしまわず医師に必ずご相談ください。
ピロリ菌除菌で胃がん確率減→健康に

ピロリ菌の除菌で胃がんの発生や死亡率を減らす効果が期待される一方、除菌が成功して胃がん検診を受けなくなる人も少なくありません。
日本の内視鏡の診断技術は高く、早期に胃がんがみつかれば胃がんで死亡する危険性は極めて低いです。
特に萎縮性胃炎(慢性胃炎)がある患者様は、ピロリ菌を除菌できても定期的な内視鏡検査は欠かせないでしょう。
胃の不調やピロリ菌の不安があれば、ぜひ一度高田馬場駅前メディカルクリニックの消化器専門医の受診をおすすめします。
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