お正月明けに便秘が悪化する理由―年末年始後に便通の乱れを感じる方へ―

- 2025年12月30日
- 安藤内科部長
年末年始が明けた頃から、
「便秘が悪化した」「お腹の張りが強くなった」「これまで使っていた便秘薬が効きにくい」
といったご相談が増える傾向があります。
これらは特別な病気によるものではなく、年末年始特有の生活環境の変化が影響して起こることが多く、決して珍しいものではありません。
本記事では、お正月明けに便秘が悪化しやすい主な理由についてご説明します。
生活リズムの乱れによる腸管運動の低下
年末年始は、
・起床・就寝時間の変化
・食事時間の不規則化
・通勤や外出機会の減少
などにより、生活リズムが乱れやすくなります。
腸は、一定のリズムで刺激を受けることで動きやすくなる臓器です。
特に「起床後に朝食を摂る」という習慣は、排便反射を促す重要な役割を担っています。
このリズムが崩れることで、腸管の動きが低下し、便秘が悪化しやすくなります。
食事内容の変化
お正月期間中は、
・お餅や肉類など消化に時間のかかる食品
・甘い菓子類
・野菜や食物繊維の摂取不足
といった食生活になりがちです。
このような食事が続くと、便の量が減少し、硬くなりやすくなります。
特にお餅は消化に時間がかかり、腸管運動を低下させることがあるため、便秘の一因となることがあります。
冬場に多い水分摂取不足
冬は発汗量が少ないため、水分摂取量が不足していることに気づきにくい季節です。
さらに、アルコールやカフェインを含む飲料の摂取が増えると、体内の水分はより失われやすくなります。
水分不足は便を硬くする直接的な原因となり、排便を困難にします。
排便の我慢による排便反射の低下
帰省や旅行などで環境が変わり、
便意を感じてもトイレを我慢する状況が続くことがあります。
このような状態が繰り返されると、排便反射が鈍くなり、便意そのものを感じにくくなる悪循環になることがあります。
お正月明けの便秘への対応
まずは、以下の点を意識して生活リズムを整えることが大切です。
・起床・就寝時間を元に戻す
・毎朝、少量でも朝食を摂る
・意識的に水分を補給する
それでも、
・1週間以上排便がない
・強い腹部膨満感や腹痛を伴う
・市販薬で改善しない
といった場合には、早めの受診をおすすめします。
おわりに
お正月明けの便秘は、一時的な生活習慣の変化によることが多く、適切な対応を行えば改善が期待できます。
「この程度で受診してよいのだろうか」と遠慮される必要はありません。
気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。
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