大腸ポリープ切除方法【第一弾】
- 2023年11月1日
- 医師コラム
こんにちは。
高田馬場駅前メディカルクリニックの小林史怜です。数ある内視鏡クリニックの中から当ホームページをご覧いただき誠にありがとうございます。
大腸ポリープの切除方法(第一弾)
今回は連載形式で大腸ポリープの切除方法についてお話しします。
我々が患者様の大腸カメラで大腸ポリープを発見した際に、どのような方法で適切な治療法を選択しているかその思考プロセスの一部をご紹介しようと思います。
大腸粘膜ってどうなってるの?
その第一弾として、まずは大腸の粘膜の解剖についての知識が必要になります。
大腸の粘膜は内側から、
⑴粘膜層→⑵粘膜下層→⑶固有筋層→⑷漿膜という構造になっています。
大腸ポリープは基本的には⑴粘膜層に発生し、それが大きくなったり癌化したりすると⑵粘膜下層や⑶固有筋層などの外側へどんどん浸潤していきます。
基本的に大腸カメラで切除できる大腸ポリープの深達度は⑴粘膜層もしくは⑵粘膜下層に軽度浸潤しているものに限られます。
それ以上深く浸潤しているものは大腸カメラでは取り切ることはできず、その場合はお腹に傷をつくる外科的な手術が必要になります。
したがって、大腸カメラで大腸ポリープや大腸癌を見つけた際に、⑴〜⑷のどの層まで浸潤しているかを正確に判断する必要があります。
そうでないと、本当は⑴粘膜層の癌で、お腹に傷をつくらず大腸カメラで切除することができるものであったのに、外科的な手術でとってしまったなどの結果が生じてしまいます。
病変の評価方法
大腸カメラ
病変の深達度の評価には、「大腸カメラ」でみたイメージが重要になってきます。
学会が発行しているガイドラインに記載されているものは、例えば病変の緊満感や腸管襞(ひだ)のひきつれです。大腸ポリープに緊満感があったり、大腸ポリープに向かって腸管の襞(ひだ)が集まっていたりするものは大腸粘膜の深くに浸潤している可能性があり、大腸カメラでは取れない可能性があります。
これはほんの一例で、深く浸潤している所見は他にもあります。
拡大内視鏡
そのほかにも「拡大内視鏡」の所見が重要です。
特に「陥凹(かんおう)」といって、大腸ポリープに凹んだ部分があるときに「拡大内視鏡」が威力を発揮します。
大腸ポリープの凹んだ部分(陥凹部)のJNETやpit pattern(急に専門的な話になってごめんなさい)を評価することで、どれくらい浸潤しているかを評価することができます。
当院の大腸カメラは最新鋭のものを採用しており、「拡大内視鏡」の機能が搭載されています。
この方法での評価には高度な技術や知識が必要になりますが、常にそれを意識して診療にあたっております。
最後に
最後まで読んでいただきありがとうございます。第一弾からいきなりマニアックな話になってしまいました。申し訳ありません。
次回は大腸ポリープの切除方法についてお話しします。
このお話をするために大腸の粘膜の解剖についてお話ししました。
次回乞うご期待!
高田馬場駅前メディカルクリニックは胃カメラ・大腸カメラを月300件以上、肛門手術(肛門周囲膿瘍に対する切開排膿術、内痔核に対するジオン療法、スキンタグの切除、痔瘻に対する根治術など)を月50件前後実施しております。
2023年7月には当ビル9階に内視鏡センターがオープンしました。
大腸カメラの下剤を個室で飲んでいただけます。
静脈麻酔を使って眠って受けることができます。
新宿高田馬場で胃カメラ・大腸カメラ、肛門科をご希望の方はぜひ当院をご利用ください。
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