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【副院長】新型コロナ後遺症について(多岐にわたる症状と改善時期)|高田馬場駅前メディカルクリニック|新宿区の消化器、内視鏡、内科・外科・肛門科

【副院長】新型コロナ後遺症について(多岐にわたる症状と改善時期)

新型コロナ後遺症〜症例分析〜

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)第7波による新規の陽性患者増加だけでなく、COVID-19の後遺症も社会的な問題となってきています。

 

東京都は、2022年3月24日に開催された東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議で「都立・公社病院の外来を受診した後遺症患者の症例分析」を発表しました。

今回のブログでは、東京感染症対策センターが取りまとめ内容について、ご紹介させて頂きます。

~調査の概要~

対象:都立・公社病院のコロナ後遺症相談窓口から自院の外来受診につながった症例など、都立・公社病院の外来を受診した後遺症が疑われる患者の症例
期間:令和3年5月10日~令和4年1月28日に受診した症例
症例数:230例
年齢:50代、40代、30代の順
・性別:男(60%)、女(40%)
重症度:軽症(54%)、不明(28%)、中等症I(8%)の順

COVID-19後遺症の主訴の多くが

①倦怠感 ②息切れ ③頭痛の3つ

出現時期も2週間未満での発症が多いことがわかりました。

 
後遺症の症状


・全症状(複数回答)
倦怠感(93人)、息切れ(44人)、頭痛(38人)の順で多く、その他(128人)の順

 症状は上位3つの主訴が多いが、「その他」も多く、多岐にわたる症状が多い。また、全体の65%が2つ以上の症状を訴えていたことが判明しました。



 後遺症の出現時期と改善状況


・後遺症の出現時期[発症からの期間](n=213)


2週間未満(116人)、2週間以上1ヵ月未満(46人)、1ヵ月以上3ヵ月未満(40人)の順


・直近受診日における改善状況(n=125)


改善(68人)、症状継続(54人)、他院紹介(3人)の順

 全体の約54%がCOVID-19発症から2週間未満であり、症状が継続していていました。また、全体の54%が直近受診日において改善していることもわかりました。



 治療・検査


 後遺症の治療法は確立されていないが、都立・公社病院では、症状に応じた検査・薬の処方など、対症療法を行っています。

(1)倦怠感(n=52)
・検査:血液検査(33人)、胸部X線(17人)、脳・頭部MRI(14人)など
・治療:漢方薬(23人)、抗うつ薬(5人)、解熱鎮痛薬(4人)など
(2)息切れ(n=25)
・検査:胸部X線(20人)、血液検査(14人)、心電図(8人)など
・治療:漢方薬(4人)、解熱鎮痛薬(4人)、咳止め薬(4人)など
(3)頭痛(n=23)
・検査:血液検査(16人)、脳・頭部MRI(9人)、心電図、胸部X線(ともに7人)など
・治療:解熱鎮痛薬(9人)、漢方薬(4人)など

 改善時期では、倦怠感が発症から1~3ヵ月、3~6ヵ月がほぼ同じ割合で多く、息切れは1~3ヵ月、頭痛は3~6ヵ月の回答が多いようでした。


 まとめ

 以上の結果から、時間の経過とともに改善がみられる事例がある一方で、コロナ罹患時よりも重い症状となる事例、症状が長期に遷延し、仕事などを休まざるをえない事例も多いことが分かりました。コロナ発症時から1~2ヵ月以上症状が継続するなど、後遺症が疑われる場合は、無理な活動は避け、かかりつけの医療機関や相談窓口などへ相談をしてください。

 

【参考文献・参考サイト】

・ケアネット 

都立・公社病院の外来を受診した後遺症患者の症例分析