フルニエ壊疽(えそ)は危険?内視鏡クリニックに外科医が重要な理由

- 2023年9月11日
- 小林医師コラム
内視鏡検査を検討していても、どのクリニックを受診すれば良いかわからず迷っている人は少なくありません。
肛門痛がある肛門周囲膿瘍では、迅速に治療しないと命に関わるフルニエ壊疽(えそ)へ移行する可能性もあるため、外科的処置に対応できる外科医の存在は重要です。
今回は、フルニエ壊疽の特徴と内視鏡クリニックにおける外科医の重要性、疾患を治療できる外科的処置を詳しく解説します。
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フルニエ壊疽とは?

フルニエ壊疽の特徴
フルニエ壊疽(えそ)とは、命に関わる死亡率が高い疾患で、一般的に高齢の男性に多く発症する壊疽性筋膜炎です。
糖尿病やアルコール依存症、免疫不全などの基礎疾患があると特にリスクが高く、女性にも起こり得ますが、病気にかかっている男性は女性の約40倍とされています。
生殖器や会陰(えいん)部(男性:陰嚢と肛門の間、女性:膣と肛門の間)、肛門周囲から急速に広がっていくため、迅速な診断と治療が欠かせません。
フルニエ壊疽の原因
フルニエ壊疽の原因は細菌感染で、感染ルートは下記の通りです。
フルニエ壊疽の原因
- 肛門周囲膿瘍の重症化
- 直腸感染
- 会陰部や性器の外傷
- 尿路感染
- 切り傷、火傷
- 虫刺され
- 注射 など
原因が特定できない事例もありますが、多くが肛門周囲膿瘍をきっかけにフルニエ壊疽を発症しています。
※肛門周囲膿瘍とは:肛門付近の傷や身体の抵抗力の低下で肛門腺に大腸菌などの細菌が侵入し、感染を起こして化膿した状態

フルニエ壊疽の症状
フルニエ壊疽は進行のスピードが非常に速いため、性器や会陰部に下記の症状があればすぐに病院を受診しましょう。
フルニエ壊疽の症状
- 急な激痛
- 高熱
- 吐き気
- 腫れや赤み
- 水ぶくれ
- 全身の倦怠感 など
インフルエンザに似た症状が出るのが特徴で、進行すると全身に細菌が広がり、敗血症や最悪の場合は陰茎の切断を余儀なくされた症例もあるようです。
身体の不調や気になる症状は放置せずに、まずは当院へお気軽にご相談ください。
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フルニエ壊疽と外科医の重要性

フルニエ壊疽への移行を防ぐ
当院には、腹痛・下痢・血便、健診の便潜血検査での異常など、大腸カメラによる検査が必要な患者様だけでなく、肛門疾患でお困りの患者様も多数ご来院されます。
肛門痛では、切れ痔やいぼ痔、肛門周囲膿瘍が疑われますが、特に肛門周囲膿瘍は切開して排膿しないと敗血症やフルニエ壊疽へ移行するリスクが高いです。
非常に危険な状態で、すぐに外科的な処置を行わないと命に危険が差し迫った状態になりかねないため、外科医の存在は欠かせません。
内科医のみでフルニエ壊疽対応は×
都内には内視鏡検査を専門とする内視鏡クリニックが乱立していますが、多くが内科医のみによる診療です。
当院では基本的に、どの診療日も外科医1名・内科医1名の2名体制で診療にあたっています。
実際に内科医の診療しかない他院の内視鏡クリニックで対応困難となり、緊急で当院へ来院された患者様も。
フルニエ壊疽の予防や内視鏡検査後の最適な治療を求めるなら、外科医が対応する当院を選んで損はないでしょう。
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フルニエ壊疽と外科的処置

フルニエ壊疽と肛門周囲膿瘍
フルニエ壊疽を発症しやすい肛門周囲膿瘍に対する主な手術は、局所麻酔で腫れている部分を切開し、溜まっている膿を排出する「切開排膿術」です。
日帰り手術が基本になりますが、深部膿瘍(おしりの深い部分の膿瘍)は入院も検討する必要があります。
切開排膿術はあくまでも肛門周囲膿瘍の処置で、術後に治癒しても痔瘻が原因なら残っている「ろう管」を処置しなければ再発リスクは否めません。
フルニエ壊疽と痔瘻
肛門周囲膿瘍が進行し肛門へろう管(トンネル)ができた状態が「痔瘻」で、早期に治療しないと座るのも困難になり、継続的な発熱や将来的に癌の発生もあり得ます。

痔瘻は大きく分けて、ろう管が皮膚へと開孔する「単純痔瘻」と、ろう管が複雑に走行する「複雑痔瘻」の2種類です。
ろう管を切開し、縫合せずに瘻管を開放させる切開開放術は、括約筋を切除しても肛門機能に問題が起こらない肛門後方部の単純痔瘻に向いています。

切開開放術は日帰り手術が可能で、再発はほとんどみられません。
フルニエ壊疽といぼ痔
直腸や肛門の血管がうっ血して腫れあがるいぼ痔には、肛門の内側にできる「内痔核(ないじかく)」と肛門の外側にできる「外痔核(がいじかく)」があります。
内痔核では切らずに治せる治療法「ジオン注射」を適応可能で、注射するだけで内痔核を縮小させられるため出血や痛みが少なく、患者様の負担を大幅に軽減。
保険適用で費用も安く抑えられ、いぼ痔が再発する可能性も10%程度です。
フルニエ壊疽に外科医は必須

フルニエ壊疽は主に肛門周囲膿瘍をきっかけに、高齢の男性に多く発症する壊疽性筋膜炎です。
性器や会陰部から急速に広がっていく特徴があり、痛みや発熱、倦怠感などの症状を伴い、進行すれば敗血症や陰茎切断の症例もあります。
外科的な処置でリスクは軽減されるため、気になる症状があるなら外科医が診療にあたる当院へぜひ一度ご相談ください。






